慰謝料で弁護士をお探しの方へ
傷害慰謝料における自賠責基準とはどのようなものですか?
自賠責保険は,「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」にて,慰謝料等の支払基準を定めています。
令和2年4月1日以降に発生した事故か否かで,適用される基準が異なります。
1 令和2年4月1日よりも前に発生した事故
慰謝料は,1日4200円とし,対象日数は,実治療日数の2倍と治療期間のいずれか少ない日数となります。治療最終日が「中止」「継続」等の場合には,慰謝料算定において通院期間が7日加算されます。
仮に同一日に複数の医療機関に通院した場合には,実治療日数1日として取り扱われます。
慰謝料の計算の参考に,2つ例を挙げてみます(なお,自賠責の上限や重過失減額の点は考慮から除外しています)
⑴ 3か月の通院期間において40日の実治療日数
4200円×2×40日=33万6000円
⑵ 3か月の通院期間において60日の実治療日数
4200円×2×60日=50万4000円にはなりません。
対象日数について,治療期間の方が少ない日数となるため,次のようになります。
4200円×90日=37万8000円
2 令和2年4月1日以降に発生した事故
令和2年4月1日以降に発生した事故の場合には,慰謝料は,1日あたり4300円となります。
慰謝料は交渉により増額するのでしょうか?
1 慰謝料の算定基準
実務では,事案ごとの公平性の観点から,慰謝料の算定基準が設けられています。
大きく,自賠責基準,保険会社基準,弁護士基準の3つがあり,一般的には,自賠責基準が最も少額であり,弁護士基準が最も高い金額となります。
弁護士基準では,損害賠償額算定基準(赤本)や交通事故損害額算定基準(青本)を用いて慰謝料を算出します。
なお,赤本や青本はあくまで目安にすぎず,事案によっては,算定基準を上回る慰謝料額が認められることもあります。
2 自賠責基準と弁護士基準との違い
自賠責基準と弁護士基準との違いの参考に,他覚的所見のないむちうち症で,通院期間3か月,実通院日数40日であった場合を例に挙げてみます。
この場合,自賠責基準では,4200円×2×40日=33万6000円になります。
他方,弁護士基準では,赤本基準では53万円,青本基準では46万円となり,46万円~53万円が目安ということになります。
このように,当該事例では,自賠責基準と比較して,弁護士基準の方が13万円~20万円程度高くなります。
3 弁護士基準に基づく慰謝料額獲得のためには
弁護士が介入しない場合,保険会社は,自賠責基準,もしくは,保険会社基準で提示することが多く,弁護士基準で提案することは通常ありません。
弁護士基準に基づく慰謝料額を獲得するためには,弁護士が介入して交渉する必要があるといえます。