後遺障害に関するQ&A
後遺障害に関するQ&A
Q後遺障害の申請方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
A
後遺障害の申請手続には,事前認定(自賠法15条)と被害者請求(同法16条)の2つの方法があります。
1 事前認定
事前認定では,基本的に,加害者の任意保険会社が申請手続を行います。
後遺障害診断書を除き,申請に必要な資料はほとんど任意保険会社が取り付けます。
そのため,被害者の手間はあまりかかりません。
2 被害者請求
被害者請求では,被害者側で申請手続を行います。
弁護士にご依頼されていれば,弁護士が代理して申請することができます。
後遺障害診断書を含む必要資料は,被害者側で取り付けます。
手間はかかりますが,しっかりと申請準備を進めることができます。
等級認定された場合には,等級に応じた金額を上限として自賠責保険金が支払われます。
3 どちらの方法によるべきか?
適正な等級認定を獲得するためには,基本的には,被害者請求によるべきです。
事前認定では,被害者が資料の取り付けにほとんど関与できませんし,任意保険会社は,あくまで加害者側すなわち賠償金を支払う側であり,被害者とは立場が全く異なるからです。
事前認定では,任意保険会社が,被害者に対して,受けるべき検査や医師対応などについてアドバイスしてくれたり,後遺障害診断書に被害者の症状が適切に反映されているかなど,チェックしてくれることは通常ありません。
後遺障害に該当しないという認定結果に対しては,異議申立てをすることができますが,初回の申請内容の如何によっては,リカバリーできないことも少なくありません。
後悔しないためには,多少時間を要してでも,初回申請にしっかりと取り組むべきです。
したがって,基本的には,被害者請求の方法により申請すべきであると考えられます。
Q後遺障害の申請手続は弁護士に依頼した方がよいですか?
A
後遺障害申請手続は,交通事故に精通した弁護士に依頼した方がよいです。
適正な後遺障害等級認定を獲得するためには,後遺障害別等級表の解釈,各後遺障害の認定に必要な検査内容などに精通していなければなりません。
例えば,耳鳴りの後遺症では,ピッチマッチ検査及びラウドネス・バランス検査,動揺関節ではストレスXP検査,といった検査を受けておかなければ自賠責では等級認定されません。
高度の後遺障害であれば,必要な検査や申請書類も複雑になるため,なおさら専門性が求められます。
このように,後遺障害申請手続で適正な認定を獲得する場合には,自賠責が求めるものを把握し,それに応えられるようにしっかりと準備する必要があります。
したがって,後遺障害申請手続は,交通事故に精通した弁護士に依頼すべきでしょう。